あなたに逢いたくて……第一次産業系スパダリ映画「ゴッズオウンカントリー」を観た

    たまたま時間があったのでU-NEXTで映画を観ました。
    「ゴッズオウンカントリー」。久しぶりに観た映画です。自分なんて、いつもデジモンとセーラームーンと、コリン・ファースのプライドと偏見(BBC)を気の遠くなるほどの回数を順番にリピートし続けて3年くらい、そんな人間なので。

    そしてこの映画、その無限リピート地獄に陥る前、気になってウィッシュリストに「視聴願望」をメモしていたような映画です。
    結局劇場で観ることは叶わず。
    でも良い時代ですね、気楽にそんな映画を実質無料で観ることができました。
    実質無料って良いよなぁ。

    そう考えながら観進めていたら、いつのまにか、買っていました。
    Blu-ray (豪華版)を……。


    買う必要は、なかったのでは?
    そう感じながらも、一体なぜ?金欠だって、言ってたじゃない。

    目次

    あらすじと胸を打つポイント

    ケチなわたしを購入に走らせた、そんな本作は、イギリス・ヨークシャー地方を舞台にした一次産業従事者映画です。
    青年ジョニーは祖母と病気の父とともに暮らしながら、ひとりで牧場を管理しています。アルコールと行きずりのセックスで苦痛を紛らわし、過酷で虚無な人生を生きる彼。

    彼の目にあまるほどの荒廃した生活に、父は短期労働者を雇うのですが、そ!れ!が!ルーマニア出身の青年ゲオルゲでした。

    ときに粗暴に、ときに差別的にゲオルゲに接するジョニーは、衝突を繰り返すなかで心を開き、これまで感じたことのない恋愛感情を彼に抱くようになるのでした。

    この映画のポイントはヨークシャー地方の薄暗くも美しい風景、終焉を隣に感じる第一次産業従事者の人生、そしてクローゼットな世界で描かれる21世紀ならではのLGBT描写です。
    いま日本の田舎で暮らしているわたしとしては、とくに最後の点については進歩すら感じられて、羨ましい気持ちも正直ありました!正直ね。随所にクィアに対するネガティヴな反応を察知したりはするものの、現実味があるラインでの人権感覚の進歩を感じます。

    日本だとどうでしょうね。周りの反応を見る限り、ううん。こんな感じではなさそうです。ケッ!

    第一次産業従事者ゲイ、ついに理想の男性に出会う。

    というのも、わたしのことなのですが。
    第一次産業に従事しながら、まぁ本作の主人公より環境は恵まれていますけど、パートナー不在という現実。
    こんな田舎じゃクィアのパートナー探しなんてまず無理だろうと思いつつも、幸せになる日を夢見て生きています。
    そんなわたしにとっても、ゲオルゲがあまりにも理想の男すぎて……何?

    ・汚いものに抵抗がない
    ・自分より仕事の知識がある
    ・自分より仕事に積極的である
    ・ほどよい距離感を保ってくれる
    ・料理ができる
    ・モラルがある
    ・力が強い
    ・顔が良い

    これがスパダリというものか。
    第一次産業系スパダリ。
    都会のきらきらしたスパダリじゃないですよ。
    お金もないです、このひと。でも俺にとっちゃあこれがスパダリですよ。
    ジョニーがゲオルゲに惚れまくる過程、わかりすぎる。出会いたい。

    恋愛、したい〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!
    クリスマスを前にあまりにも悲痛です。

    スパダリ映画を観たあとの気持ち

    ねえ、わたしこのままでいいのかな?
    そんな気持ちになります。年齢を重ねたあとに見るラブストーリーの後味は、はっきりと焦燥です。

    ゲオルゲ、会いたい……。

    でもいまの時代、王子様をただ待っているなんて不毛。
    わたしはゲオルゲになります。自分自身がゲオルゲになる。その覚悟で今日からまたがんばります。

    この映画を観てこんな感想に落ち着くひとなんて存在しないと思うのですが、田舎で第一次産業で働くわたしのような人間はとにかくタフにサバイブするしかないのです。
    がんばります。でもとりあえず恋人は、欲しい。
    そう思わされる映画ですね……。(えぇ?)

    今月またBlu-rayで見返します。恋人まだできてないので……。

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