とんでもなく嫌な出来事を目にしたら、自分はなぜK-POPを好きなのか見失いそうになるときがあります。きっとみなさんもそうでしょうし、それはK-POPに限ったことではないだろうと思います。
それでも、K-POPでは、わたしがこれまで愛してきた楽曲たちが、その情熱を繋ぎ止めてくれる。
ちょうどいま、世の中では軽蔑したくなるものごとが数多くあります。
だから、いまこそ過去を振り返り、自分の情熱を見つめ直すタイミングなのかも。
そしていくつか、その振り返りを文章として記録してみよう。
そう思い、今回この記事を書いています。
K-POPを好きになって、そのなかでもさらにその情熱を加速させてくれたものの1曲。
今回はSHINeeが2013年2月19日にリリースした3枚目のフル・アルバムから、「Dream Girl」です。
K-POP、音楽性の岐路に立つ
KARAと少女時代、東方神起とBIGBANGが日本でブームを巻き起こした2000年代後半。当時のK-POPの日本でのイメージは間違いなく”EDM”でした。
当時の世界の流行最先端であったEDMを、研鑽された力強いダンスと恐ろしい脚の長さ、蛍光色で奇抜なスタイリングで表現する姿は、日本のアイドル界隈のそれとは明らかに異なるもの。
SHINeeも例にもれず、日本活動の初期段階ではEDM路線を韓国活動以上に際立たせていた印象があります。(少女時代の音楽性の変遷についてのブログはこちら)
それでも、実際のところは”コンテンポラリー・バンド”という自身らが掲げるコンセプトの通り、最初からさまざまなジャンルへの挑戦を予感させるグループでした。EDMは世界への挑戦のきっかけのひとつ、というような。
2013年にリリースされたこの「Dream Girl」も、ジャンルはアシッド・エレクトロ・ファンク。この年はDaft Punkによるファンク再ブームも起こる年ですから、世界的にも過渡期となった年。欧米のチャートに目を向けても徐々にEDMの流行は陰りを見せ始めていました。
K-POPという主語で話すと無駄に話が大きくなりそうなので、SMエンターテイメントに限ると、彼らの音楽のゲームチェンジャーはSHINeeの「View」とf(x)の「4 Walls」に違いありません。
この「Dream Girl」は、EDMから抜け出し、奇抜なものから洗練されたものへと変わっていくSMの音楽変遷の、その変化を後押しするもののひとつにあたる楽曲だと私は考えます。こういう曲の積み重ねが、「View」と「4 Walls」のリリースにつながったんじゃないかと。
このブーストを、この疾走感を楽しめ!
この曲の良さを語る上で欠かせないのが、とにかく抑揚です。
制作上それを重視していることはトランポリンを使ったMVからも伝わってきます。
EDM時代を抜け切っていないぱきぱきとしたビートと、それを人体でも表現するリズミカルなヴォーカル。
ヴォーカルについては後ほど述べ直すとして、この曲の構成に詰まっている熱いエネルギーはやはりサビにあり。ジョンヒョン、オニュというK-POP界でも指折りのメイン・ヴォーカルから発せられる熱量は計り知れません。
そしてその熱量が最大限に発揮されるタイミングは大サビ。
たった3分間しかないこの曲の、1分55秒ころから始まるCメロ、ラップのDメロ、そこから約30秒間が、大サビで空高く飛び上がるための助走、踏み込みの時間なのです。
きらきらとお茶目な笑顔で発せられる超絶ヴォーカル、若々しいミノのラップを経てジョンヒョンのフェイクをきっかけに飛び上がるサビの高揚感、まさに絶頂!
なんならCメロDメロだけでなく、大サビ約30秒のこの気持ちよさのために他の2分30秒が存在しているといっても過言ではない。とても贅沢な曲だなと聴くたびに思います。
5HINeeという特別ないろ
ジョンヒョンという偉大なヴォーカルの素晴らしさについて、私から語れることは少しもありませんが、やはり後追いで聴いても彼の声が持つエネルギーや飛躍力にはすぐに特別なものと認識することができました。
そして5人全員が、決して欠かすことのできないSHINeeのパーツなんだと感じます。
センターであるテミンが軸だとすれば、ジョンヒョンは加速するエンジン、ミノは地面を蹴り上げる脚、オニュは羽、キーはハンドル、そんな風に感じながら、いつもSHINeeを聴いています。「Everybody」の振り付けからの影響もあるでしょうが、「Dream Girl」にも、そのような空をかけるイメージを受け取りました。それもきっと、この疾走感と高揚感のおかげだと私は思います。
正直、SHINeeの音楽を語るならばまず「Sherlock」か「View」だろうと思いますが、私は「Dream Girl」こそSHINeeという可能性の、エネルギーの象徴であり、自分自身のK-POPへの情熱を奮い立たせてくれる楽曲だと思っているので、今回選出しました。あくまで世間的な観点ではなく、わたしの個人的な視点でした。
これからもいくつか、他のハッピーで素晴らしい楽曲の紹介記事を書いていけたらと思っています。
ぜひ今後も読んでくださると嬉しいです!