永遠に美しく……Red Velvetの「Psycho」はいつまでも色褪せない伝説級名曲!

    2019年末に発売された「The ReVe Festival : Finale」のリード曲「Psycho」。
    発売した瞬間からヒット・チャートを駆け抜けながらも、テレビ局のミスによりメンバーが大怪我をおい、パフォーマンスも、いや、活動すらもままならなかった楽曲。

    そんな悲劇のなかでも、楽曲の持つパワーと怪我したメンバーの帰りを待つファンの愛情を受けてロング・ヒットを記録。(メンバーも無事怪我から復帰を果たしました)
    いまなお語り継がれる伝説級の名曲として知られています。

    2021年末のステージ

    今回はそんなRed Velvetの優雅さと気高さの象徴、「Psycho」の魅力について長々と語っていきます!

    目次

    5人を際立たせる陰気な美しさ

    Red Velvet(通称レドベル)にはふたつのコンセプトが存在します。明るく強いビートにチャーミングなダンスのRedサイドと、抑揚のついたビートで歌唱力を活かしたムード重視のVelvetサイド。

    この曲はそんなVelvetサイドの楽曲です。

    下に貼ったマガジン・フィルム(ジャケット内のアートワーク撮影を編集した映像)からもわかるように、本作のアートワークでは気だるさと陰鬱さを前面に押し出しています。

    以前他の媒体でも書いたことがあるのですが、レドベルはK-POPのヨジャグルでも随一の美貌と優雅さを備え、どんな場面でもそれを褒められるグループです。

    しかし、とくにVelvetサイドの楽曲ではそんな美しさとともに、ある意味での醜さを秘めています。その醜さとは単純な”ugly”ではなく、残虐性や仄暗さのようなもの。

    そしてこの「Psycho」ではゴシックで荒廃的な世界観を強調しながらも、歌詞のなかでは恋愛相手に固執するみっともなさ、理性のなさ、自堕落さを展開していくのです。

    そんな二面性こそが、彼女たち独自の品格の糧になっています。

    現実以上にゴージャスなムードを醸し出す奇跡

    実はこの楽曲、”ストリングスの音色”と聴いて思い浮かべるような優雅な旋律のアプローチは実はありません。弦を弾くような音がリズム・トラック的に取り入れられているだけなのです。

    それなのにこの優雅さはなんだ!?

    この曲のリリース時に出ていた宣伝文によると「Psycho」は変わっているように見えるけれど結局お互いだけだと認める恋人のメッセージを盛り込んだ歌詞と、変化に富んだメロディー上に中毒性のあるフックが引き立つアップテンポのアーバンポップのジャンルの楽曲、とのこと。

    アーバンポップ、正直あまり聴きなじみのない言葉でしたが、色々調べてみると、”今様の音色で構成されたR&B”あたりの解釈に着地するのが良いでしょうか。

    実際この楽曲の構成はトラップやフューチャーベースなどの流れを感じる打ち込み主体で音色自体にそこまで優雅さはありません。ゴージャスとは違うベクトルで、厚みがあって聴きごたえがある音色ではありますが。
    それなのにどうして我々リスナーはこの曲にこれほどの麗しさを感じるのでしょうか。

    それはヴォーカルメンバーであるウェンディとスルギの歌声の力が大きいものと思われます。

    もちろん5人とも素晴らしいのですがとくにこの2人。
    彼女たちのなめらかで気品のある歌声が、ストリングスの、果てはオーケストレーションの代わりを果たし、この曲を高尚なムードに仕立てあげているのだと私は考えます。

    そのムードに導かれたのがSM Orchestra Versionですね。
    ウェンディとスルギの魅力は、力強いだけではない歌声の繊細さ。
    ソウル・フィルハーモニー管弦楽団による演奏は、優雅ながら不思議と元気なアプローチなので、楽曲の別軸を抽出したかのような仕上がりになっています。

    有名人からも愛される徹底映像美

    そして「Psycho」の魅力を最大限に理解できるのは再生回数3.9億越えのMV。
    この数字はSMエンターテイメントのなかでもEXO「Love Shot」「Monster」、そして自身の最大のヒット曲「Bad Boy」に次ぐもので、あの少女時代やf(x)、いま勢いのあるaespaの再生数をも上回ります。

    箱庭感のあるゴシックな世界観を映像のなかでみちみち展開していく力作。
    この頃彼女たちは、デビュー当時からついていたプロデューサー ミン・ヒジンから離れたばかりだったのですが、そんなヴィジュアルの核と離れてもなお、成功を確信させる強度のあるアートワークでカムバックを達成しました。

    小泉今日子、YOUによるとマツコ・デラックスもこのMVの大ファンだそう。キョンキョンもYOUもお好きだそうです。詳しくはSpotifyの「小泉今日子とYOUのKPP! #1」をお聞きください。レドベルに言及されているのはPart 4です。

    以上です!
    いかがでしたか?正直「Psycho」の良さをすべて伝えられたとは思いませんが、この文章をきっかけにひとりでも多くのひとにこの楽曲を誇っていただけたら嬉しいです。
    Red Velvetはさまざまな困難を乗り越えながらも現在も絶賛活動中。
    新曲「Cosmic」もぜひよろしくお願いいたします。

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