日プ女子番外編 −夢へのはじまり− にみる、描かれなかった櫻井美羽の物語【ネタバレあり】

    ME:Iデビューから100日以上が経過しました。私はというと、全くいける気配がないコンサート日程と供給減によりYOU:MEとしての熱は下降傾向にありました。そんなわたしのこころをググッと引き戻してくれたのはデビュー100日記念パーティーです。おい、ちょろ過ぎ。

    https://www.youtube.com/watch?v=RRFWFYBEZvM

    ME:Iとしてどんどん絆を深めていく姿を見て、さらにいまだに笠原桃奈の言葉に涙する加藤心に腕を掴まれ、「PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS 番外編 –夢へのはじまり–」のBlu-ray BOXをLAPONE STOREで購入。送料込みで20,880円(税込)を払いYOU:MEとして今後も生きる覚悟を堅くしました。まさかのCOCORO版選択してるし。

    そしてまだinuloomの3人しか見れてないんですけど、結論。

    「日プ女子の実態、大悪編×3」

    ふざけんなよ?という想いはとりあえず置いておいて、今回はこれまで語ったことのない美羽について、夢へのはじまりを見た視点で日プ女子での彼女の物語を振り返っていこうと思います。そしてrebloom再語りも絶対にやるべきですね、これは。今後やります。

    目次

    鯖番という呪いからの解放

    Nizi Project脱落、NewJeansのデビュー組漏れ、Girl Project 999脱落と韓国事務所でのデビューを3度逃した美羽。挫折と鍛錬のなかで、彼女は韓国鯖番でのドラマチックな展開、悪編にメンタルを左右されない強靭な鎧を身に纏いました。

    とくにレベル分けテストの時点が顕著ですが、全編を通して彼女は鯖番の編集に一切の信用を置いていません。どう映されるかは放送されるまでわからない、絶対に編集されるという疑念が常にあり、それゆえに「こうすれば確実に放送される」というシナリオも彼女の頭にはあります。

    しかしPRODUCE 101 JAPAN THE GIRLSは、当然ですが、韓国のスタッフが入っていても日本の要素が色濃い番組です。メンターの仲宗根梨乃、木村カエラは彼女の鎧を剥がそうとします。この鎧を剥がそうとするやり方は、実際本放送よりもかなり優しさをもって行われます。本放送で炎上しまくった「日本に逃げてここでデビューしようとすんなよ、そんな甘い世界でもないからね」という梨乃先生の言葉には、実際想像以上に愛情深い態度とケアがありました。(ほんとに泣ける)

    結果的に「鯖番向きに作っていない」彼女の本当の性格が暴かれることによって、最終順位4位を獲得するほどの人気、と信頼を勝ち取ることができました。けれどその代償として、彼女は笠原桃奈と加藤心と同じ、あまり分量のない立ち位置に収束されていきます。
    「Shine A Light」を過剰に失敗として描かれたあと(あんなやさしく楽しい練習風景だったのに、なんでやねん!!!!!!!!!)、分量がほぼ与えられないまま自身の実際の輝きをもってデビューを勝ち取ります。

    実際の彼女の日プは、不器用ながらも人間として前進するストーリー。
    鯖番的ドラマチックなストーリーテラーの道を外れ、ひとりの実力派アイドルとして誰かのジャッジから解放されていくものでした。

    「他人の気持ちがわからない」という悩みが成長の軸になっている

    序盤、鯖番向きにガチガチに性格を作り込んでいた美羽。
    そのなかでも「LEAP HIGH!」の練習風景で日髙葉月や高見文寧に寄り添うシーンがあります。ME:Iの美羽を知っているとそのやさしさは本物だという確信がありますが、無理をしているような雰囲気も滲みでます。

    その限界がくるのが、本放送でもあった「Body & Soul」のレッスン・エピソード。

    「自分がどう動けばいいかわからない」
    「他人が何を苦しんでいるのかが理解できない」
    「自分は他人とは違う」

    という人間関係からくる悩みです。それを解決してくれるのが、前述した仲宗根梨乃先生になるわけですが、彼女は「変わることを恐れるな」というような言葉を美羽に送ります。そんな彼女の言葉が美羽には絶対に必要で、美羽はここから積極的に「他人の影響によって変わっていく自分」を受け入れていきます。
    きっと「他人の気持ちがわからない」という悩みは「自分を崩されたくない」ということにつながっていたのでしょう。

    ME:Iでも見せてくれる要素ですが、本来美羽は基本的に懐かれる、頼りにされることに喜びを感じるタイプのように思えます。そして、そんな相手を支えたいと思うタイプ。
    ですがこれ、韓国ではうまく立ち位置的にもハマらなかったと思うんですよね。しかし日プ女子ではこの特性は回が進み、いろんなひとと関わるごとにどんどん柔和に懐深く彼女の態度に根付いていきます。
    まぁまずウイングベルムーンの時点ですずや葉月を積極的に導こうとしますし、C→Fと歩んだ葉月のことをどこまでも気にかけている様子が未公開映像に大量に残されていました。(そりゃ4位デビューを見届けてあんだけ泣くよね葉月も)「Shine A Light」での動きはその極みで、本放送では不穏な編集をされていましたが実のところ美羽はかなり居心地がよかったんじゃないかと思いました。パフォーマンスの不完全燃焼と最後の順位はさすがに傷ついたと思いますが。

    そしてそんな”頼られたい”彼女にとって、やさしく受け入れてくれる加藤心と、何をするでもなく懐いてくれる海老原鼓と釼持菜乃の存在はかなり貴重なものだったのではないかと、視聴者の目には映ります。器用に立ち回らなくても、強く振る舞わなくても、一歩超えて仲良くしてくれる存在。これまで置かれた環境が、周りとは国籍も違う上にライバルだらけというものでしたから、彼女にとってそういう存在は心を許せる良いきっかけになったんじゃないかな。

    そしてこれまでの経験が足枷になっている自分と違って、その経験を良い方向で言及される石井蘭の存在は、どちらが上とかは関係なく良いモチベーションになったようです。
    蘭のチッケムを見て自分の動きを勉強したと語っていますし、センター決め〜グループバトルで描かれたさっぱりとしたライバル関係が良い方向に作用していたのは驚きでした。(びっくりするくらい後半なかったことになっていたけれど)
    美羽は梨乃先生に相談するときに「想像するのが苦手だ」と語ります。
    「スケッチはできるけど想像で絵を描くことができない」と。
    その悩みを経て魅力的なパフォーマンスを体現できたきっかけが石井蘭のダンスであり、その悩みを乗り越えた先で披露した楽曲が「想像以上」というのは、あまりにも出来すぎていますが(本放送では全く放送されませんでしたが)、日プ女子の主軸のストーリーだったんじゃないかなと思います。

    彼女に足りなかったものとは

    美羽は日プ女子を通して「他人の気持ちがわからない」という自覚はあっても、自分のこころをさらけ出せる相手、信じてくれるひと、そして自分にしかできないパフォーマンスを手にいれました。

    そしてデビューを勝ち取った。これまでの彼女にはなく、日プ女子での彼女にあるものは、くさい言い方になりますが、それは「信じられる本当の仲間」なのかもしれません。

    ME:Iのメンバーはもちろんのこと、IS:SUE釼持菜乃や、日髙葉月、関わったひとたちみんな。虹プロやガルプラで関わったひとたちも、いまではそんな存在なのかもしれませんね。

    そして個人的にも大切に思う関係性は、日プ女子後半の美羽の分量、そして雑誌インタビュー、さらには「夢へのはじまり」の後半のインタビューで語られたエピソードの大半を占める笠原桃奈との絆です。本放送では後半ふたりの干されっぷりが半端ではなく、なんか仲良さそうだな、なんかあったなという想像でしか語られない関係でしたが、デビュー後に語られたものをつなぎ合わせると、このふたりの絆、唯一無二です。

    番組当初はおそらく互いがライバル意識があり、なおかつファン同士もそのきらいがあり、近づくことのなかったふたりですが、第一回順位発表式のあとに一緒に帰宅し、メッセージをやりとりするなかで友情が芽生えたと語られています。

    急接近したのは「&ME」であり、その頃はちょいちょい友情の発露も視聴者に届いていました。番外編で語られたのは、美羽と桃奈がサブボーカル①を争っていたこと。実力では美羽に軍配があがるものの、ジャッジする青山テルマも桃奈の良さを認めていました。
    そのパートにこだわる桃奈を見て、美羽は「意外だった」と語ります。
    そしてその熱意に敬意を払います。美羽は「他人の気持ちがわからない」という自覚がある上で、しっかりと「他人に敬意を払えるひと」だということが桃奈との関係性でわかってきます。

    ふたりがお互いのことを語るときに頻出する言葉は「似ているところがある」。
    MBTIが真逆で、絶対に相容れないと視聴者に言われていたふたりの行く末がこうなるとはほとんどのひとが想像すらしていなかったはず。

    それでも、互いの苦労を理解し、弱さを愛おしく想い、そして強い部分に思いっきり頼り、敬意を払う。そんなふたりの信頼関係は側から見ていても美しく、かけがえのないものに見えます。

    これから長いME:Iとしての人生。
    きっと桃奈以外とも強い絆で結び続けられると思いますが、いまはこのふたりの関係性を特別なものとして見届けたい……!というか、もろもろの媒体から出てくるエピソードがどれもこれもやばすぎるので、美羽か桃奈どっちかのファンなら、もう絶対もう片方も好きになってます。すごいので……。
    「誰のでもないしなやかな自分の羽で」「いま力一杯とんでいけ!」のパートの繋ぎ、変えて欲しくなかった〜〜〜〜〜〜

    ちょっと!このふたりの話はそれだけでブログ1記事かけるので以上にします!

    ME:IのMIUとして最強形態でデビューした美羽をみなさんこれからも応援し続けましょう!

    他のメンバーの円盤もはやく見なければ!

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