倉木麻衣はトレンドDIVA?おすすめアルバム考えてみました。 #全アルバム聴き直し

    2024年、いろいろな音楽に触れてみようと #全アルバム聴き直し いう企画をやっています。
    その一環で、昨年12月8日にサブスク解禁した倉木麻衣の全オリジナル・アルバムも聴き直しました。わたしはコナン世代なのでもちろん彼女のシングル曲は結構知っていたのですが、アルバムには詳しくなかったのです。

    トータルの印象としては、予想以上にトレンドを素直に反映するアーティスト。
    彼女のディスコグラフィを追えば、この25年近い邦楽のトレンドの変遷がなんとなく伝わってきて面白いと思います。
    そして頻出単語は「Let’s go」です。

    目次

    あなたは倉木麻衣を知っていますか?

    倉木麻衣は1982年10月28日生まれ。
    千葉県出身で、立命館大学産業社会学部を卒業しました。
    1999年にシングル「Love, Day After Tomorrow」でデビューしました。
    Mai-K名義で全米デビューもしております。

    所属事務所は「株式会社 B ZONE」
    みなさんご存知「株式会社Being」はなんと昨年名称変更となりました。
    わたくし無駄にこのニュースを周知させることに全力を尽くしております。

    人柄としては、ファン以外からは物静かな印象を持たれているかと思いますが、倉木麻衣さん、実はかなりのダジャレ好きです。
    わたしの知り合いのファンが大好きなダジャレは「びっくらき」。
    ブログやインタビューなどを読んでいると、突拍子のないダジャレが多数ぶっこまれるのですが、お笑いジャンルとしてはシュールレアリズムです。反応はおまかせします。

    さておすすめアルバムを挙げていきます。

    年月を経て邦楽R&Bの名盤化「delicious way」

    ミリオン・セラーシングルを複数収録し、350万枚以上売り上げたファースト・アルバム。
    当時日本でも流行していたR&Bにアプローチが向いた大ヒット作ですが、このアルバムはあまりタイアップの意識がないからか空気感がかなりダウナーで、聴きごたえがあります。リズムや音節を強調するような歌声ではなく、ウィスパーやファルセットを得意とするスムースな歌声が日本人好きしたのではないかと思います。

    90年代後半のR&Bがリファレンス元だと思われ、いまもまだ流行っているY2Kのムードとは少し離れていますが、「お金がかかっている音」だとすぐにわかるので聴いていて楽しい。
    一番おすすめしたい楽曲は「Stepping∞Out」です。
    ビートの音色が潤沢で、聴いてすぐに舐めちゃいけない曲だとわかるはずなのでぜひサブスクで聴いてみてくださいね。

    女性R&Bシンガーとして当時宇多田ヒカルのパクリだと言われていた彼女。実際、のちに斉田才が2022年8月19日FM滋賀で放送された「OLDIES GOODIES」で”宇多田ヒカルの妹的存在を作りたかった”というような発言をしていましたが、いま聴くと本質的な音楽性の類似点はあまりないことがわかります。宇多田はその後の歩みはシンガーソングライター然としていますしなおさら。ちなみに宇多田本人も彼女にネガティヴな感情は抱いていない様子。(参考:2000.06.28 「区羅記米(これはどう?)」

    J-POP DIVAとしての覚悟「FUSE OF LOVE」

    R&Bの流行が落ち着き、倉木麻衣もベスト・アルバムをはさみ、日本のトップ層のシンガーとして覚悟のシフト・チェンジした2005年のオリジナル・アルバム。
    そもそもベストの前にリリースされた「FAIRY TALE」「If I Believe」の収録シングルあたりから楽曲に四季が反映されはじめており、すでにJ-POP然としておりました。

    それも、この作品でそのモードを推し進められた感があります。
    ただしわたしの周りのMai Kファンからは蛇蝎の如く嫌われておるのですが(倉木麻衣のR&Bに誇りを持っているひとが多いため)、あまり知らないわたしみたいな層からすると、楽しく聴けるアルバムだと思います。
    このアルバム好きって言ったら軽蔑するような眼差し向けられましたけど。笑

    バック・トラックも生音多用です。打ち込みだとかなり安っぽくなるアプローチだと思うのでここにお金を使った当時のビーイングスタッフ素晴らしいですね。

    このアルバム、収録シングルがなかなか面白く、なかでも

    当時「なんやねんこのタイトル」と思っていた「P.S ♡ MY SUNSHINE」が完全にシティ・ポップの質感で、ビートが重いのがネックですが再評価されても面白いと思います。

    あと当時CDTV内のCMで流れてきて「ご乱心だわ」と思っていた奇曲「ダンシング」も記憶通りの奇曲ですが、良いところもあります。

    ゆずの「栄光の架橋」の2ヶ月前にリリースされ、紅白で歌われたにも関わらず完全に存在を喰われた「明日へ架ける橋」もバラードと言い切れない奇妙なアレンジで、いま聴くとシンセ・ストリングスのクオリティが当時すぎる質感ですが、良い曲。
    シングル版の「明日へ架ける橋」はこのMV終わりからビートが追加されて「なんで?」と思ってしまうので、わたしは「Love, needing」に収録された「明日へ架ける橋〜ballad ver.〜」をおすすめしたいです。

    ちなみに好きなアルバム曲は「Tell me what」です。

    エレクトロ・ブームにも乗るわよ!「FUTURE KISS」

    積極的にメディア露出し、イメージ刷新に乗り出した頃のリリース作。
    2010年11月発売の9thアルバムです。

    当時の邦楽界はLADY GAGAと中田ヤスタカのヒットの余波で80sライクなエレクトロ・リバイバルに踏みこむアーティストが激増していました。
    倉木麻衣もこの数年前のシングル「Diamond Wave」でハウス・アプローチも経験していたり、そもそもビーイングスタッフが80s大好きっぽい雰囲気があったりして、ノリノリでこのジャンルを取り入れたのではないかと思われます。

    いま聴くとそこまでエレクトロに傾倒しているわけではなく、そもそもダンスが得意な方ではないのでこの後EDMには向かいませんでした。しかし、倉木麻衣自体がトレンドを意識したプロジェクトであることを認識させるには十分な作品であり、ディスコグラフィのなかでも異彩を放つ意欲作です。

    歌い方のアプローチがあとにもさきにもない唯一無二な「Drive me crazy」がおすすめ。

    最後に各アルバムからピックした佳曲紹介

    上記した3作以外にもR&B回帰した「ONE LIFE」や、改めて大衆に向けてのポップネスを磨き上げた「unconditinal L♡VE」は聴きごたえがあります!

    すべての紹介は難しいので、最後にわたしが #全アルバム聴き直しのなかで毎回つくっているアーティストプレイリストの曲目と一言レビューをあげてみます。曲順にも拘っているのでぜひ再現してみてください!


    01.Stepping∞Out – YOKO Black.Stoneの力作!

    02.Ride on time – はやすようなテンポ感が意外にあいます。愛内里菜の「赤く熱い鼓動」とサビちょっと似てるけど

    03.Drive me crazy – ガナる麻衣!

    04.P.S♡MY SUNSHINE – シティ・ポップ麻衣

    05. 夢が咲く春 – グルーヴ感でいうとキャリア・ハイ

    06.Diamond Wave – 当時は爆笑したけどこれオネハっすね最高

    07.Born to be Free – 倉木麻衣は日本のシャキーラ

    08.mi corazon – あと2分短かったら普通に名曲だった

    09.Don’t leave me alone – ラテン演歌っぽいのが結構得意ですよね麻衣って

    10.冷たい海 – 邦楽史に残る名曲で異論なし

    11.Wonderland – 珍しくソウル寄り

    12.FUTURE KISS – 踊らす麻衣

    13.OPEN L♡VE – かわいい麻衣

    14.Wishing on a.. – タイニーなバラード。大人で良い雰囲気。

    15.Wで包むよ – タイアップに染まりすぎたセルアウト・シングルで、複数のファンの友人から蛇蝎の如く嫌われているけど生音なのでそれ気にしなかったら普通に良い曲だと思うの

    結論、トレンドやセルフ・イメージに色々気を配った楽しいアーティストです。
    みなさんもぜひ聴いてみてください。

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