先週友人との電話きっかけで書いたブログ「2010年前後にヴィレヴァンにあった商品を思い出してみる vol.1」の続編です。よければ前回も読んでもらえると幸いです!
中村佑介のイラスト集(横顔)
ASIAN KUNG-FU GENERATIONのCDジャケットや森見登美彦の小説の装丁でおなじみのイラストレーター中村佑介の画集。
歌詞だけでなくイラストのイメージ形成が成功していたおかげか、アジカンは当時「文学ロック」と言われていました。いま、なぜそう言われていたか調べてもすぐには辿り着きませんが、そういえば言われていました。このブログを書いている途中で思い出しました。誰がいいはじめたのでしょう?
とにかく、中村佑介の画集は森見登美彦の小説とともにヴィレヴァンに置いてあったことは事実です。遊べる本屋×文学ロックです。
当時の高校生〜大学生が大好きだった小説といえば「夜は短し歩けよ乙女」でしたよね。
わたしも読んでいましたし、軽音部の友人の家にいたらCDか小説かのどちらかが部屋に置いてあったと記憶しています。
ちなみに大学1年生の軽音部がアジカンをコピーしようとすると高確率で気づくことがあります。
アジカンのドラムはムズい。
人気作家の集い「エロティックス・エフ」
太田出版から発行されていた漫画雑誌「マンガ・エロティックス・エフ」。
雑誌が置いてあった周りには掲載作家の単行本もずらりと並んでおり、当時バイトしていたローソンでジャンプ、マガジン、モーニング、ガンガンあたりを読んでいた自分からしたら一歩上の世界という印象でした。
現在はもう休刊中とのこと。なんだか寂しいですね。
それでも、過去の掲載作家や表紙を眺めてみると大学生のころに単行本を買いまくっていた先生たちの名前に一気に懐かしい気持ちになりました。
浅野いにお、中村明日美子、オノ・ナツメ、志村貴子、今日マチ子……(敬称略)
浅野いにおはとくに爆発的な人気を獲得していましたよね。
エロティックス・エフだけでなく、ヤングサンデーとかQuick Japan(アイドル誌、芸人誌になる前の)とか、掲載誌はばらばらですけれど。
浅野いにおといえば、おやすみプンプン。
ソラニン。ソラニンといえば宮崎あお……アジカン!
このマンガがすごい!2009 オトコ編1位「聖☆おにいさん」
10年前おそろしい影響力を誇っていたムック本「このマンガがすごい!」。
なかでもわたしのなかで強く印象に残っている受賞作は青年誌掲載のギャグ漫画「聖☆おにいさん」です。
仏教とキリスト教が融合?したシュールな日常マンガという、いま振り返ってもセンシティヴ&センシティヴなギャグ漫画でした。
中身の面白さもさることながら、2009年の他の受賞作は「宇宙兄弟」「GIANT KILLING」「3月のライオン」「坂道のアポロン」「ちはやふる」「夏目友人帳」と、ランキング的にもかなりレベルが高かった年だったため、強く記憶に残っているのではないかと思われます。
「聖☆おにいさん」以外の上記の受賞作品ももちろんヴィレヴァンに置いてありましたよね。
ちなみにこの漫画、星野源の知名度をあげた作品のひとつでもありました。
ソロ・シンガーとして駆け出しのころだったかと記憶しています。
アニメの声優を担当したころはまだSAKEROCKも解散していなかったような。
もちろん、SAKEROCKのCDもヴィレヴァンに置いてありました!
安野モヨコももちろんありましたよ
漫画でいうと、他にも置いてあったのは「ジョジョの不思議な冒険」、「新世紀エヴァンゲリオン」のような、いまではもうメジャー級のものも、当時は「すきなひとはすき」という立ち位置で置かれていた記憶があります。
エヴァといえば庵野秀明のパートナーである安野モヨコの漫画もたくさん置いてありました。
「美人画報」も、「脂肪という名の服を着て」も、「監督不行届」も。
ちょっと記憶があいまいなのですが、「美少女戦士セーラームーン」「カードキャプターさくら」の単行本も置いてあったのできっと「シュガシュガルーン」も置いてあったはずだと思います。
なかでも印象が強かったのが、土屋アンナ主演で映画化された「さくらん」です。
中身よりも表紙の花魁のインパクト、裏表紙はなんと銀色でした。昔はたまにありましたがいまでもそういう装丁ありますかね?笑
しかも横から見ると裁断部がドぎついピンク色になってありました。
まだ日本の出版界にもお金があったんだなぁと思える装丁の豪華さでしたね。
「ヘビーローテーション」の前の話 蜷川実花の写真集
そして映画化された「さくらん」の監督といえば蜷川実花。
ヴィレヴァンでも人気の女性写真家のひとりとして大々的にコーナーが設けられていた蜷川実花です。
作品でいうと、松山ケンイチの写真集とか、中川翔子の写真集とか、蜷川妄想劇場とかですね。
わたしがよく通っていたころはまだ映画「さくらん」の余波が店内にも残っておりました。
いまのように実写化=悪と思われる少し前の話でしたし、椎名林檎の音楽と合わせていまよりも蜷川ファンからの支持を得ていたように思います。
いまだったら確実にスラム・ツーリズムの指摘を受けると思いますが、遊郭に美しさやドラマ性のフォーカスを当てている代わりに綺麗事よりも業の部分が物語の主軸になっているため、そこは安野モヨコのバランス感覚の妙に助けられていたよなというのがわたしの感想です。
ちなみにこれらのエピソードはすべて2010年AKB48「ヘビーローテーション」のMVを撮影する前の話です。いま振り返るとここが転換点かもしれないですね。
思えば、モヨコの「さくらん」、岡崎京子の「ヘルタースケルター」、CLAMPの「xxxHOLIC」と、彼女が映画化するに至った作品のことを考えると、彼女のチョイスって結構”まだダサいと言われまくる前のヴィレッジヴァンガード”のそれに近いものを感じます。
90年代からつらなる、いわゆるサブカルの空気を彼女は理解していたのだと思います。
結果的にメジャーのフィールドに出たことで、それは薄れてしまいます。
近年ではネトフリで「FOLLOWERS」というドラマを撮っていましたが、
すみません、悪口がすぎたので消します。
また友人と昔話できたらvol.3、公開します。それでは!